令和4年春のお彼岸について

2022年春のお彼岸について【お彼岸とは】

春のお彼岸は春分の日の前後3日間の彼岸入りから彼岸明けまでの1週間の事を指します。

2022年(令和4年) 春彼岸の日程

3月18日(金) 彼岸入り
3月21日) 彼岸中日
3月24日(木) 彼岸明け

暑さ寒さも彼岸まで、ようやく長い冬が抜け、春本番となる時期に春彼岸を迎えます。春分の日の頃に太陽が真東から昇り真西に沈み、夜と昼の長さが同じ位になる為仏教の説く中道の教えにかなう日とされています。中道とは、かたよらない心、とらわれない心を持ち、それによりものごとの本質を見極める心をもつ教えのことです。

彼岸(ひがん)とは、サンスクリット語のパーラミッターの漢訳です。パーラミッターとは、到彼岸のこと、悟りの世界へ渡ることを意味しております。すなわち彼岸とは、此岸(しがん)に対する言葉で、彼の岸、向う側の岸のことで、この世の苦しみ・迷いの世界(此岸)から、悟りの世界(彼岸)へと渡る教えです。悟りの世界に到るには、次の六つの教えを行えば彼岸に渡る(悟りを得る)ことが出来ます。

六波羅蜜

布施(ふせ)
むさぼりのこころをおさえ、見返りを求めず施すこと。

持戒(じかい)
定められたことを守り、つつしんで生きること。

忍辱(にんにく)
耐え忍び、怒りをおさえ我慢すること。

精進(しょうじん)
何事にも一生懸命頑張ること。

禅定(ぜんじょう)
心を静かに保ち、精神を集中すること。

智慧(ちえ)
上の五つを正しい考えで実行・判断すること。

世の中が不安定な今だからこそ、お彼岸の一時でも、悟りの世界に渡れるよう一つでも多く実践修行し、自分を見つめ直し、感謝の心を深め、笑顔で日々をおくるきっかけにしたいものです。

Q:お彼岸に準備するものは?

A:お彼岸では、お仏壇やお墓をきれいに掃除し、仏前にお供えするおはぎ(ぼた餅)を作ります。彼岸におはぎや団子を作るのは、この日が正月やお盆と同じように、一年の中で大切な日であると考えられます。昔はおはぎや団子などは非常に貴重な食べ物で、ご先祖に御馳走をお供えするのは彼岸の仏道修行の「布施」にあたります。「おはぎ」と「ぼた餅」の名前の由来は諸説ありますが、春の彼岸は「ぼた餅」、秋の彼岸は「おはぎ」と呼び、これは牡丹は春の花で「ぼたん餅」、萩は秋の花で「萩の餅」からきています。

ちなみに夏と冬の呼び名は夏は「夜船」、冬は「北窓」と呼ぶようです。理由は、ご飯をつぶして作る際にお餅と違ってペッタンペッタンと音がしないのでいつ作っているのかわからないことから搗(つ)き知らずとなります。そこで夏は「搗き知らず」から着き知らずとなり、夜の舟はいつ岸に着いたのかわからないことから「夜船」と呼び、冬は「搗き知らず」から月知らずとなり、月が見えない寒い北の部屋の窓から「北窓」となったそうです。

Q:お彼岸でのお墓参りの心得は?

A:お彼岸にはできるだけ家族そろってお墓参りをしましょう。お墓参りに持参するものは、お線香、ロウソク、仏花、お菓子などと、掃除用のほうき、たわし、タオルなどを持参し、墓地では墓石やその周辺を掃除し、お供えものは半紙などに敷いてからお供えします。掃除とお供えが済めば全員で合掌礼拝します。※お墓参りが終われば必ずお供え物は持ち帰りましょう。

また菩提寺の御住職に塔婆(とうば)をお願いし塔婆をお墓に建てて供養すれば最高の功徳が得られます。寺院内墓地の場合は必ず本堂にお参りしましょう。

霊園内に無縁の合同墓地があれば、お線香の一本でもお供えし仏道修行に励みたいものです。お墓やお仏壇の無い方は、この機会に御縁のある親類などのお墓まいりや、菩提寺や近くの寺院にお参りしましょう。